問活

問いで「考える経営」を

歴史は繰り返す

治世と乱世を繰り返す日本史

「歴史は繰り返す」と言います。
人間は過去の過ちを反省し、学び、次代に活かすということが出来るものだとは思いますが、「価値観」というフレーズで社会全体の時代の流れを見てみると、数十年~数百年単位で同じことが繰り返されているようです。

“治世”と“乱世”が交互に繰り返されていると言えそうですが、言葉の定義付けからしてみましょう。

“治世”とは、一つの価値観に沿って、「これが今の世の中の正解だよね」と誰も疑いを持たずに生きている状態を指すとします。
いいか悪いかではありません。
その時代の大多数の人達が価値観を共有している状態とも言えるでしょう。

例えば平安時代。
貴族を中心とした封建社会ですね。(私は歴史の専門家ではないので、おおざっぱな表現もあるかと思います。ご容赦ください)

貴族を中心とした縦社会が、それぞれの地域を統治するには妥当だ、という一つの価値観を共有していた時代でした。
いいか悪いかは置いといて、その価値観に沿った生き方を多くの人間がしていました。

しかし、権力を集中させるとどうしても歪みが生まれるのも人間の性です。
押さえつけられ、虐げられ、不遇の生活を送る者達がいます。
そしていつかその不満エネルギーが爆発し、謀反を起こすものが現れます。
戦国時代の始まりです
(だいぶ端折っている自覚はあります。あくまでイメージということでご容赦ください)

“乱世”の始まりです。
「生まれた家柄で身分が決まるのおかしくない?出自はどうあれ力があればよくない?」という考えのもと、津々浦々で旗を揚げる者達が現れます。

乱世の定義としては「次の価値観を模索している時代」としましょうか。
 
社会全体で「何が正解か分からない」時代の突入です。
まさに混沌です。そんな時代には予想だにしない、常識を打ち壊す出来事が次々起こります。
応仁の乱を皮切りに、キリスト教の伝来と布教、鉄砲の登場、本能寺の変、そして関ヶ原の戦い。

様々な混乱の末、徳川家康が江戸幕府を開くことで、乱世の時代は一旦収束を迎えることとなります。

日本全国を一つの国と捉えて統治する時代の幕開けとなりました。
 
そして「武力で下剋上とか言っている時代はもう終わりじゃない?将軍の言うこと聞いて、目の前の仕事をしていくことが幸せじゃね?」という治世の始まりです。

何度も言いますがいいか悪いかではありません。
社会全体として価値観が統一されているかどうかの話です。
もちろんそれでも全員が幸せだったかというと議論はあります。
不遇を過ごした人達もいます。
なので歴史は繰り返すのです。

その後、
「乱世」→幕末の動乱

「治世」→明治・大正時代

「乱世」→昭和初期そして戦前・戦中・戦後

と続きます。

まさに「歴史は繰り返す」です。

治世の時代だった昭和後半~平成

さて、いよいよ近代の日本に近づいてきました。
戦後の高度経済成長に目を向けてみましょう。
どういう時代だったでしょうか。

世の中がモノを渇望している時代。
たくさん作ればたくさん売れる時代。
そういう時代に求められるのは、どれだけ時間をかけられるか、どれだけミスなくムダなくマニュアル通りに大量に作れるか、という統一された価値観でした。治世ですね。

バブルの時期になるとその価値観は完成に近づき、寝る間を惜しむのが正解、家族との時間を作らず働くことが正解、休むなんてもってのほか、有休取得ゼロがかっこいい、という時代でした。

「24時間、戦えますか」「5時から男」というフレーズが広告に載りました。
 
今では恐らくコンプライアンス的に一発アウトでしょうね。
でも、当時を知っている40代以上の世代はこのフレーズを知っている人が多いはず。
それだけ「世の中に刺さった」フレーズなんです。
「オレたち、寝ずに休まずに長時間労働しててかっこよくね?」という価値観です。

そんな治世の時代もリーマンショックのあった2010年頃を境に終わりを告げます。
 
「昔の価値観のままやってきたけど、このままじゃ立ち行かなくね?」と気づき始めます。
昨日までの成功法則が通用しなくなった時代の到来です。
 
これまで通りでは太刀打ちできないので、次々と変化が起きます。
次の価値観を模索するために、様々な考え方が生まれ、常識を壊す社会通念が通るようになり、価値観の多様化が始まります。

今は乱世、そしてVUCAの時代

ということで今は乱世の時代です。
そんな時代には想定外の出来事が起こり、これまでの常識が大きく変わります。

具体例として、コロナ禍による非対面によるコミュニケーションなどが挙げられるでしょうか。
または、ChatGPTに代表されるAIの進化による常識の破壊も分かりやすいですね。
10年前には「オレは現金派だから」と言っていた人も、今ではキャッシュレス決済を使っている人も多いのではないでしょうか。

そんな変化の激しい時代は、誰も正解が分からない状態です。
あいまいで、不確実で、様々な価値観が絡み合う複雑さの増す時代となりました。

これを「VUCA(ブーカ)」の時代と言います。
(参考:経済産業省 令和3年度産業経済研究委託事業報告書)

「Volatitility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の頭文字でVUCAです。

そんな時代に求められるのは、これまでの価値観に固執しない柔軟な発想を持てる人材です。

前例がないからこそやり、これまでのルールの延長線上で考えるのではなくルールそのものを変えることができ、違和感を楽しめる人材と言えそうです。

そのためには、「考える」ということをしなければいけません。
なんせ正解がないので、誰も正解を教えてくれない、というより誰も正解を知らないからです。
自分で考えるしかありません。考えて、自分の正解を創り出さなければいけません。
 
 
では考えるためにはどうしたらよいか。
そこで登場するのが「質問」です。質問されることで人は考えます。
良質な質問は、斬新で豊かな発想を引き出してくれます。

変化しないといけない今の時代に必要なものは、過去から学ぶノウハウやスキルではなく、「質問」だと思うのです。質問を活用して、変化に対応できる人になりませんか。

私たちと一緒に今の時代に必要とされる人材になりましょう。 
 
[この記事を書いたのは、糸数直です]

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